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【奈良田温泉】1300年前の天皇が愛した霊泉へ。奈良田七不思議「御符水」が湧く奈良王神社|奈良田温泉ひとり旅㉕

白籏史朗記念館を後にし、ここからは、手に入れたばかりの「奈良田お散歩マップ」をしっかりと握りしめて、いよいよ集落の歴史の奥深くへと歩みを進めることにします。目指すは、この地に深く関わる神聖な場所、「奈良王神社 (奈良法王神社)」です。

この神社には、かつてこの地を訪れたという「孝謙天皇(奈良王様)」が祀られています。
伝説によると、今から約1300年もの昔。重い病を患った天皇が、病を癒やすための霊泉を求めて遥々この山奥の奈良田を訪れたのだそう。すっかりこの地が気に入った天皇は、なんと約8年間にわたって滞在されたといいます。その当時の居住跡(内裏跡)に建てられたのが、この奈良王神社なのだそうです。

そして、この境内には、奈良田に伝わる七不思議のひとつ「御符水」があるというので、ワクワクしながら坂を下っていきます。

記念館から少し下ると、目の前に新緑に包まれた、とても雰囲気の良い鳥居が現れました。
一歩中へ足を踏み入れると、周囲をそびえ立つ高い樹木にぐるりと囲まれ、一瞬にして空気がひんやりと変わるのが分かります。

外の喧騒が嘘のように遮断された、息をのむほど静謐な空間です。

参道を進むと、思わず足を止めて微笑んでしまう光景が。

周囲の圧倒的な巨木たちに対して、あまりにも控えめでちんまりとしたサイズの狛犬たちが鎮座しているのです。そのアンバランスさがなんとも健気で愛らしい。心の中で「こんにちは」と挨拶をしながら、さらに奥へと進みます。


どんな日照りでも枯れず、豪雨でも濁らない「奈良田七不思議の霊泉」

すると、参道の右側に小さな手水舎のようなスペースが見えてきました。

近づいてみると、そこにははっきりと「御符水」の文字が掲げられています。

そう、ここに滾々と注がれている水こそが、ただの湧き水ではありません。

古くからこの集落に伝わる「奈良田の七不思議」の1つに数えられる霊泉、「御符水」です。

このお水には、なんとも不思議な特徴があります。

どんなに激しい日照りが続いても決して枯れることがなく、逆にどんなに激しい豪雨が降っても絶対に濁ることがないのだそう。古くからこの水を口に含むと、あらゆる病がたちまち癒えると信じられてきました。

神仏の力を宿したお札を意味する「御符」の名がついたこの湧き水。
もともとは全身を浸して身を清める「御手洗池」としてのルーツを持っていた場所だそうです。天皇がこの地に滞在していた間は、毎日の食事を作るための「御膳水」や、文字をしたためる「硯水」として、実際に大切に使われていたと伝えられています。

1300年前、この静かな山奥で天皇がこの水を汲み、墨をすって文字を書いていた――。そう思うだけで、目の前の湧き水が一気に歴史の舞台へと変わって見えました。


「奈良王」それとも「法王」?社殿で見つけた歴史の謎

さらに奥へ進み、こぢんまりとしつつも立派な拝殿の前に到着しました。
そこでお賽銭を入れようとふと見上げると、神社の顔とも言える扁額に、なんとも興味深い文字が躍っているのを発見したのです。

そこには、はっきりと緑文字で「奈良法王神社」と書かれていました!
お散歩マップなどには「奈良王神社」と書かれていたのですが、現地の社殿には「法王」の文字が。歴史の授業を思い返すと、孝謙天皇はのちに出家され、「太上天皇(上皇)」となられたお方です。出家した天皇は仏教的に「法皇(法王)」と呼ばれることがありますよね。
そのことを思い浮かべながら扁額を眺めていると、この地では古くから天皇への深い敬意が受け継がれてきたのかもしれない、と感じました。お散歩マップだけでは気づかなかった発見に、「実際に来てみて良かったなあ」としみじみ。
こういう小さな発見があるから、古い集落を歩くひとり旅はたまりません。

拝殿の前には、参拝の作法がしっかりと書かれた案内が掲示されていました。
この土地に息づく壮大な歴史ミステリーに深く感動しつつ、書かれている通りに「二拝二拍手一拝」で、旅の無事と健康をしっかりと祈願。静かにお参りを済ませて、澄み切った余韻を感じながら神社を後にしました。

奈良田の歴史と七不思議の神秘に触れることができた、とても素敵な参拝でした。

さて、次なる目的地は、お散歩マップの表紙のところに行ってみましょう!その名も「ミミンコ」です。
……ミミンコ。一体何なのでしょう、その怪獣か可愛いマスコットキャラクターのような愛らしい響きは(笑)。真相を確かめるべく、マップを片手に再び歩き出します!

(つづく)↓

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