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【奈良田温泉】営業わずか1時間!?奇跡の古民家カフェと圧巻の白籏史朗写真館|奈良田温泉ひとり旅㉔

自分で電気をつけるという、秘境感満載の「早川町歴史民俗資料館」をたっぷり堪能した私。
共通チケットを握りしめて、次なる目的地「白籏史朗写真館」へ向かおうとしたのですが……資料館の真隣にある「山城屋」という渋い建物が目に留まりました。

入口横の看板を見ると、早川町の指定無形文化財である「奈良田 田麦つき唄」についての解説が書かれています。

大正末期までの奈良田には水車がなく、脱穀はすべて人力。特に「麦つき」は想像を絶する過酷な労働だったため、若者たちが大きな臼を囲んで杵を振り下ろす際、女性たちがこの唄を唄ってつらい作業を助け合ったのだそう。山村の素朴な暮らしと、当時の人々の生活の匂いがダイレクトに伝わってくる、なんとも味わい深いお話です。

建物の入口には、こんな案内書きが。

ようこそ山城屋へ
こちらは奈良田の古民家を再現した建物です。昭和20年代まで集落にはこのような板葺き石置き屋根の家々が並んでいました。館内では、奈良田に伝わる七不思議、奈良王様(孝謙天皇)の伝説、独特な風習の残る小正月の展示をしています。ご自由にご覧ください。
※照明のスイッチは中です。お帰りの際は消灯してください。

「よし、ここも自分で電気をつけるスタイルね!任せて!」と、いざ中へ進もうとしたのですが……。

ガチャ、ガチャ……(あれ? 開かない……?)

ガーン!!まさかの扉がピクリとも動きません(笑)。
今日が休館日なのか、それとも私の開け方が絶望的に間違っているのか……真相は謎のままですが、とにかく中に入ることができませんでした(笑)。

白根館の冊子に続いて、奈良田の七不思議の展示が見られると期待しただけにショック!
(※ついついショックが大きすぎて、最大の特徴であるはずの「板葺き石置き屋根」の写真を綺麗に撮り忘れました 笑)


鳥肌が立った、古民家カフェ鍵屋の「1時間営業」の謎

気を取り直して、本来の目的地である「南アルプス山岳写真館 白籏史朗記念館」へ向かいます。場所は、先ほどの資料館から古民家カフェ鍵屋を挟んでちょうど真逆の位置にあります。

テクテクと歩いて鍵屋の前まで戻ってきたとき、入口に貼られた「ある紙」を見て、私は我が目を疑いました。

まさかの、「臨時休業」の貼り紙が……!!!

えっ!?ちょっと待って、何があったの……!?
思えばさっきお店でパスタやアイスを食べているとき、遠くの方でスタッフさんが「今日は11時までにしたから……」と微かに話している声が聞こえた気がしたのです。どうやら本当に、何らかの理由で急遽11時までの営業になってしまった模様。

鍵屋の開店は10時。つまり、この日はわずか1時間しか営業していなかったのです。
その時間帯に店内にいたのは私だけ。
実質、「この日は私一人だけのために営業してくれていた」という、とんでもないミラクルが起きていました(笑)。

実はこの日、「朝イチに行くか、お昼に行くか」で最後まで悩んでいました。もしお昼に回していたら、幻のポポアイスも、魔法のソース「カラ酢っ子」も手に入らず、すべてが詰んでいました……。旅の神様、本当にありがとう!!危なかったーー!


森の中に佇むモダンな洋館。圧倒的迫力の白籏史朗世界へ

奇跡的に鍵屋を満喫できた興奮冷めやらぬまま、お目当ての「白籏史朗記念館」に到着しました。

緑の木々に囲まれたモダンな建物が、秘境の空気感にとてもよく映えていて素敵です。

中に入ると、こちらも先ほどの資料館と同じく徹底された素晴らしい節電スタイル。

受付無しの無人館なので、ここでも自分で「いかつめの電源スイッチ」をガチャンとONにして入場します(だんだんこのシステムが癖になってきました)。

(※館内は全面撮影禁止のため、ここからは私の拙いテキストだけでその感動をお届けします!)

展示室には、世界を舞台に命がけで山を撮り続けた山梨県出身の伝説的山岳写真家、白籏史朗さんの作品がズラリと並んでいます。
中には畳二畳分はあろうかという巨大な大パノラマ作品もあり、その前に立つと、まるで本物の険しい雪山に対峙しているかのような、息をのむほどの圧倒的な迫力に包まれます。

数ある名作の中で、私が特に心を奪われたのが『富士、雪白く、茶の香り高し』という作品でした。

静岡県富士市で撮影された一枚なのですが、どこまでも美しく広がる瑞々しい緑の茶畑から、雪をかぶった富士山がひょっこりと頭を出しているんです。壮大なのにどこか愛らしくて、「これぞ静岡!」という景色がギュッと詰まった最高の1枚でした。

展示は日本の名峰にとどまらず、マッターホルンなど世界の厳しくも美しい山々まで網羅されており、写真の枠を超えた「大自然の神々しさ」に圧倒されっぱなしの見応えある空間でした。

途中の休憩スペースで、『ご自由にお持ちくだ さい』と書かれたポストカードの束を発見。旅の記念にありがたく1枚いただき、余韻に浸りながら 外へ向かうと、出口に『ポストカード鍵屋にてセットで販売』との文字が。

えっ、売り物……? それを無償で配っているという、秘境ならではのなんとも大らかな謎システム(笑)。ありがたく旅の思い出として、大切に手帳へ挟んで持ち帰りました。

歴史に触れ、奇跡に遭遇し、芸術に圧倒される──奈良田という小さな集落の奥深さを、あらためて思い知らされた午前中でした。

次回は、いよいよお散歩マップを頼りに、奈良田七不思議のひとつに数えられる伝説の「御符水」を目指します!

(つづく)↓

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