集落をぐるっと巡りましたが、私の奈良田散歩はまだまだ終わりません。
次に向かうのは、泊まった白根館の部屋からも見えていて、ずっと気になって仕方がなかった場所。あの遠くに見える、長い「橋」です。

白根館の目の前に広がっているのは、奈良田湖(西山ダム)。
さっそく湖に向かって階段を下り、近くまで行ってみることにします。

……あれ? このあたりの湖畔には、ほとんど水がありません。
それどころか、場所によっては地面がバリバリに干上がっていて、まるでどこかの砂漠のようです……!

というか、このカラカラに乾ききった大地から、何食わぬ顔で青々と生い茂っている草たち、強すぎませんか(笑)。
そんな自然のたくましさに圧倒されつつ、わずかに水が残る方へと歩みを進めます。

目指すは、遠くのダム湖の手前に、うっすらと透け感を持って架かっている長い吊り橋。

この橋の名前は「塩見橋」といいます。

段々と近づいてきました。白根館のあたりから塩見橋のたもとまでは、徒歩8分ほどです。

階段を登り、いざ橋の入り口へ!

案内看板に「笹山→」と書かれているのを見つけました。どうやらこの橋の先は、本格的な登山道にも繋がっているみたいですね。
全長120メートル、横幅50センチ。アンバランスすぎるスリル

奈良田湖に架かるこの塩見橋は、全長約120メートル。
実際に目の前に立ってみると、対岸が遥か遠くに感じられて、思わず足がすくみます。
これだけ長さのある大掛かりな吊り橋なのに、足元はなんと、幅はわずか50センチしかありません。
この「長さ」と「細さ」のアンバランスさが、なかなかのスリルを煽ってきます。
しかも、横は簡易的な感じの金網だけなので、視界は超クリア。本来なら美しい湖面が見えるはずですが、今は水がほぼないため、遥か下の「剥き出しの地面」が丸見えです。

高さは7〜10メートルほどでしょうか。
……ですが、この数字はあまり意味を持ちません。というのも、その日の水位によって「体感の高さ」がガラリと変わるからです。
水が満ちている日は、エメラルドグリーンの湖面がすぐ近くに見えて癒やされるそうなのですが、今日のように底がカラカラな日は、奈落の底(大袈裟)を見下ろしている気分。
そのため、体感としては「10メートル以上あるのでは!?」と思えるほどの強烈なスリルです! ……ある意味、めちゃくちゃレアでラッキーな日に来たのかもしれません(笑)。
絶景、だけどやっぱりちょっと怖い(笑)
意を決して歩き出すと、見た目のカッチリ感に反して、意外とめっちゃ揺れる……!
ちょっと怖い。そして長い。進んでも進んでも、なかなかつきません(笑)。
でも、その恐怖を忘れるくらい、周りの景色は本当に素晴らしいです。

ふと横を見ると、さっきまで近くにいた白根館やバス停があんなに小さく見えました。

逆側を見渡せば、奥に溜まっているダムの水が綺麗で、周囲の雄大な南アルプスの山々が一望できます。
……でも、やっぱりちょっと怖い(笑)。
幸いにも今は私以外に誰もいませんが、もしこれ、対岸から人が歩いてきたらどうするんでしょうね?
すれ違いができないことはないでしょうが、なにせ幅50センチです。お互いに横を向いて、お腹をへこませながら「カニ歩き」で通るしかないのか……?
「あ、どうも〜笑」なんて言いながら、スリルを共有する奇妙な連帯感が生まれそうです。ちょっと実践してみたい気もしましたが、安全第一で相手が渡りきるのを待つのが大人のマナーなのかな?(笑)。
ただ、渡りきるのに3分~4分はかかるので、待つ方も結構な覚悟がいりそうです。
「これがもし、下が一面エメラルドグリーンの湖面だったら、さらに最高の絶景なんだろうなぁ」なんて、次回の再訪に思いを馳せながら、一歩一歩踏みしめて歩きます。

天然のアトラクションさながらのスリル満点な空中散歩を終え、無事に対岸へ到着!心地いい達成感で胸がいっぱいです。あぁ楽しかった!
さて、この細い橋を渡った先には、どんな景色が待っているのでしょうか。
奈良田散策は、まだまだ続きます。
(つづく)↓