下部ホテルでの極上ぬる湯に後ろ髪を引かれつつ、ダッシュで駆け込んだバス停。

ここからは、最終目的地である「奈良田温泉」を目指して、山梨県早川町の「早川町乗合バス」に乗り込みます。

私が乗る予定なのは14:06発のバス。バス停に滑り込んだのはそのわずか2分前でした。
……が、定刻を過ぎてもバスがやってきません。
「え、まさかもう行っちゃった……?」
「乗合バス」なんて言われると、一体どんなサイズ感の車が来るのか想像がつきません。さっき駅前で見かけたワゴン車みたいなやつが実はそうだったの!?と、一気に心拍数が上がります。
ドキドキしながら待つことさらに2分、お目当てのバスが静かに姿を現しました。

よかった、普通に大きいバスでした!(笑)ホッと一安心です。
道中の半分でまさかのGS突入!?お供はミステリアスなトレンチ美女
一見するといたって普通の路線バスなのですが、山道をしばらく走り、行程の半分ほどが過ぎた頃に普通じゃない出来事が起きました。

なんのアナウンスもないまま、バスが突然「ガソリンスタンド」へ滑り込んでいったのです。

乗客を乗せたまま平然と給油が始まる車内。これ、もしかして最初から時刻表の運行スケジュールに含まれている行動なのでしょうか……?(笑)のどかなローカルバスならではの洗礼に、さっそく旅情をそそられます。

ちなみに、下部温泉のバス停から乗り込んだ乗客は、私を含めてわずか3人。そのうち1人は早々に下車してしまい、車内は途中から2人きりになりました。
こうなると、もう1人の同乗者の女性のことが気になって気になって、私の妄想の暴走が止まりません。
だって、この日の気温は25度以上の夏日。それなのに彼女は、まさかのカッチリとしたトレンチコートを羽織り、ご丁寧にマフラーまで携えているのです。手荷物は驚くほど少ないのに、一体どんな極寒の山奥からやってきたのか……。青森の酸ヶ湯温泉あたりならまだ寒いの?それとも海外帰り!?
「もしや同じ宿(白根館)に泊まる同士なのでは……?」なんて思っていたら、彼女は奈良田の手前でスッと降りていかれました。外に出てもトレンチコートは着たままでした。さらば、ミステリアスな彼女……。
下部温泉から70分。終点・奈良田温泉に眠る巨大な水鏡
そんな妄想を繰り広げている間も、車窓の景色はとにかく圧巻の一言。

険しい山々と美しい川が織りなす大自然を眺めながら揺られること約70分。

ついに終点「奈良田温泉」バス停に到着しました!

さすがは終着駅、山奥とは思えないほどしっかりとした佇まいのバス停で、公衆トイレも併設されています。傍らには登山届を提出するポストも設置されていました。

ここから一体どの山(南アルプスの名峰たち?)に登れるのか……。登山好きの皆さんにとっては常識なのでしょうが、あまりに土地勘がなさすぎてすみません(笑)。

それにしても、うわぁ……めちゃくちゃ景色がいい……!!
少し奥に広がっている大きな水面は、奈良田湖(ダム)。ただ、今はかなり水量が少なめの様子。この川、これからの季節は大丈夫なのかな?と、ちょっと心配になってみたり。
さて、見惚れるような絶景を背に、いよいよ今宵の宿へと向かいます。
バス停から宿までは徒歩1〜2分。

右端にあるのがバス停。左端に佇む建物が白根館です。あれが、ずっと憧れていた「白根館」。
テレビで何度も見てきたあの宿が、ついに目の前にありました。

では、あの噂のトロトロ湯にまみれるべく、さっそくチェックインしてきます!
(つづく)↓