山梨県身延町にある、武田信玄の隠し湯としても名高い「下部温泉」。
古き良き湯治場の風情が残るこの街に、お湯だけでなく「お腹も最高に満たしてくれる温泉グルメ」があるのをご存知でしょうか?

それが、老舗宿・下部ホテルの館内でいただける「下部温泉ボロネーゼ」です!
実はこの「下部温泉ボロネーゼ」、8ヶ月前に書いた“ブログ100記事記念”の記事で、「いつか食べてみたい温泉グルメ」として挙げていた一品でもあるのです。
「温泉水で茹でる打ち立てパスタはモチモチらしい」と当時の私も書いていましたが、気づけば今、私はその下部温泉の地に立っている……!これはもう、絶対に食べねばなるまいて!!

お店は下部温泉駅から徒歩1分の場所にある、有名な老舗宿「下部ホテル」の館内にあります。
平日は1階の喫茶コーナー、休日は2階の「里のいろり」が会場になるようで、訪れたこの日は平日。

1階の落ち着いた喫茶コーナーへと案内されました。
メニューはこれだけ!山の名前で変わるユニークなチーズの量
席に着いてメニューを見ると、潔く「下部温泉ボロネーゼ」のみ3種類!(ドリンクとデザートは他にもありますが)。まさにプライドを感じるボロネーゼ専門店です。

面白いのが、トッピングされる削りたて熟成チーズの量によって、地元の山にちなんだメニュー名が変わる点。
- 富士山:チーズで冠雪した富士山をイメージした一番人気
- 樹海:パスタがチーズで迷子に。チーズの樹海をかき分けて食べる
- 毛無山:チーズなしの本格ボロネーゼ
さっき博物館で歴史を学んできた金山のある「毛無山」も捨てがたかったのですが、今回は迷わず、特急ふじかわの車窓からも眺めた「富士山」をチョイス!
サイズはS(180g)かM(360g)で悩んだのですが、スタッフさんに聞くと「都内の1人前くらいがSサイズです」とのこと。このあと宿で、かくし最中など食べる予定もあるので、今回はSサイズに決定です。
ちなみに、茹で上がりを待つ間にテーブルで先にお会計を済ませるという、ちょっと珍しい先払いシステムでした。
美味しく食べられる賞味期限は「わずか10分」!?
注文から8分ほどで、お目当ての皿が登場しました。

「わあ!本当に富士山みたい……!」
真っ白な削りたてチーズがこんもりと山を成しています。しかし、見惚れている時間はありません。このパスタには、“ある制限時間”があるのです。
こちらのパスタは、食品添加物を一切使っていない極めてナチュラルな麺とソースのため、時間が経つと麺がどんどん水分を吸ってしまいます。そのため、美味しく食べられる賞味期限はなんと10分間!
運ばれてきたら写真をサッと撮って、熱々のうちに一気にフォークを進めるのが鉄則です!

さっそく巻き取って口へ運ぶと、太めの麺がとにかく信じられないほどモチモチ!
やっぱりこれは、温泉水の効果なのでしょうか……!
こだわり① 名湯・下部温泉の「温泉水」で茹で上げる極太麺
最大のこだわりは、なんと言っても麺を茹でる「水」です。
日本の名水としても知られる下部温泉の源泉(温泉水)を使って、本場イタリア・ヴェネト州の伝統的な極太生麺「ビゴリ」を茹で上げています。
ブロンズ製の型から押し出されるビゴリは、表面があえてザラザラに仕上げられているのが特徴。まろやかな温泉水が引き出す驚異的なモチモチのコシと、この独特なザラつきのおかげで、濃厚なソースの絡み具合が抜群です!
こだわり② 肉の食感がガツンと残る、36時間の丁寧な仕込み
ソースには水を一滴も使わず、たっぷりの赤ワインとトマト、そしてチョップド(角切り)された牛肉が使われています。
「36時間」というのは、ドロドロに煮込んでいる時間ではなく、お肉を焼き上げ、赤ワインで煮込み、じっくり寝かせて熟成させるまでの「全仕込み工程」の時間のことなのだそう。
ひき肉ではなく「ゴロゴロとした肉の塊」の食感がしっかり残っているため、パスタというよりも「熟成した贅沢な肉料理」を食べているような凄まじい満足感があります!

さらに、上に乗ったチーズが熱でふわっとすぐに溶け、その塩気が濃厚な肉ソースに最高のコクをプラスしてくれます。これだけ濃厚なのに不思議と全く飽きが来ず、一口ごとに贅沢な余韻が残るため、気がつけばペロリと完食していました。
大満足のランチ、そして食後は嬉しいサプライズ
食べ終わってみて、Sサイズは「もう少し食べたいかな?でもM(倍量)だとちょっと多いかも……」という絶妙なライン。さきほど駅前で「ニュー梅月」さんのかくし最中などをしっかり買い込んで後で宿で食べようとしている私にとっては、結果的にこれがベストサイズでした(笑)。
大満足で席を立とうとしたところ、嬉しいサービスが。

なんと、この喫茶コーナーを利用すると、下部ホテルの立派な中庭にある足湯を無料で利用できるのです!
庭園のさわやかな風を感じながら、名湯に足を浸す……。お腹も足元もポカポカに満たされて、これ以上ない最高のリフレッシュになりました。

正直、温泉街でこんな本格的なボロネーゼが食べられるとは思っていませんでした。
温泉水で茹でた極太麺のモチモチ感に、ゴロゴロ肉の濃厚ソース。いわゆる“温泉街グルメ”の枠を超えた、かなり本気の一皿です。
身延・下部エリアを旅するなら、ぜひお腹を空かせて味わってみてくださいね!
温泉水で茹でた極太麺を味わい、足湯でぽかぽかに温まる――。
そんなことをしていたら、今度はちゃんと湯に浸かりたくなってしまいました(笑)。
次回は、そのまま下部ホテルの名湯を日帰り入浴で楽しみます!
(つづく)↓