岩崎源泉での「おあずけ」を経て、私の胃袋は完全に「魚モード」。 吸い寄せられるように、海へと向かって坂道を下ること約3分。 熱川の街並みの中で、ひときわ派手で目を引く建物が見えてきました。
本日のランチはここ、「いでゆ干物店」さんです。
営業中…だよね?不思議なフォルムの干物屋さん

3つの建物が合体したような、なんとも不思議なフォルム。 一番手前の建物には「準備中」の札。えっ、やってない……?と不安になりつつ奥へ進むと、一番端の建物に「営業中」と「OPEN」の文字を発見!

「やってる……よね?」と恐る恐る扉を開けると、中からお姉さんが明るく迎えてくれました。
どこかへ出かけようとしていた雰囲気を察して、「…大丈夫ですか?」と聞くと、
「大丈夫大丈夫!ちょっと行こうと思ってたけど、タイミングよく来てくれてよかった!」
と、なんともウエルカムで優しいお返事。本当に大丈夫だったのかは謎ですが(笑)、その温かさに一安心です。
「干物気分」を揺さぶる、意外すぎる一番人気

店内は、わざと簡易的にしているような、オシャレさと昭和レトロが同居した絶妙にいい感じの空間。平日13時、貸切状態の贅沢なランチタイムの始まりです。
さて、メニューを見てみると……

「一番人気:フワトロ卵カレー」
……えっ、カレー!?干物屋さんなのに!?
しかも一番人気ってどういうこと!?(笑)
定食メニューを見渡しても、お目当ての「干物の定食」は見当たりません。
でも、今の私の口は完全に「干物」を求めています。 悩みに悩んで、単品の「鯖のみりん干し」と、ごはんと、何か……と考えていたところで、お決まりですか?と声掛けが。
脳内の迷ってるプランをそのままお姉さんに伝えると「神の声」が。
「みりん干しに、定食っぽい感じでつけてきましょうか?」
それです!それがしたかったんです!!
お値段は不明ですが(笑)、迷わずお願いしました。(メニューに定食セットとしてあればいいのにな。いや、実はあるのか?私が見落としてるだけ……?)
サバ紋の美しさと、焦げるタレの香りに悶絶

まずはウーロン茶で喉を潤していると、目の前に立派な鯖のみりん干しと、網のコンロが登場!

ここは「自分で焼くスタイル」なんです。これ、楽しいですよね。

「身の方から焼いてくださいね」というアドバイスに従い、いざ網の上へ。

じーっと見つめていて気づいたのですが、鯖の柄ってすごく綺麗。 「サバ紋」というのでしょうか、思った以上にハッキリとした模様がなんだかカッコよくて、思わず見入ってしまいました。
そうこうしているうちに、お姉さんが「定食っぽいものたち」を運んできてくれました。

お味噌汁の湯気がたまりません。定食にしてくれて本当にありがとう……!
焼き上がり!「鯖みりん干し定食」の完成

網の上では、鯖の身から脂がフツフツと湧き出し、秘伝のタレが焦げる香ばしい匂いが立ち込めます。
「この匂いだけで白ごはん食べられる……」
と確信したところで、焼き上がり!

鯖のみりん干し定食の完成です。

さっそく、いただきます。
……美味しい。
身がふっくらとしていて、噛むほどにじゅわっと甘い脂が溢れ出します。 この脂の甘みと、少し焦げたタレの相性がもう抜群。 ゴマのかかったご飯が、恐ろしいスピードで消えていきます。

脇を固める肉団子、なすの煮物、いんげん、玉子焼といったお惣菜たちも、手作り感があって心に染みる味。

お豆腐と油揚げのお味噌汁も、カラダに優しく響きます。

最後にデザートのオレンジまでいただいて、大満足で完食です。
優しいお姉さんと、驚きのお会計
お会計の際、「これでいいですか?」と提示された金額は、
鯖のみりん干し代 + 600円。
他の定食より安いくらいで、なんだか申し訳なくなるほど。 平日にお一人で切り盛りされていた優しいお姉さん。あのタイミングで入店できて、本当によかった。
「一歩及ばず」が続いていた熱川の旅。 でも、このランチに出会えたことで、運気は一気に「大大吉」に跳ね上がった気がします。
ご馳走様でした! お腹も心も満たされたところで、次なる目的地、3つ目の温泉櫓を目指します。
(次回、再びの櫓巡りへ!)↓