貸切風呂「一銭湯」で体を温めた後は、いよいよあの不思議な半円形の建物、女湯「万葉の湯」へ向かいます。
木の温もりに包まれる、圧巻の脱衣所

脱衣所の前には、100円が戻ってくるタイプのロッカーが内外にたくさん。貴重品の心配をせずお風呂に集中できるのは、ひとり旅にはありがたい配慮です。

ロッカー前にあるご案内には、女湯は同じでしたが、男湯は宿泊者と日帰りの方で脱衣所が別だと書かれていました。それだけ日帰りが人気ってことかな。

さて、脱衣所の中に入ると、床から天井、洗面台に至るまで総木造。凛とした木の香りと静謐な雰囲気に、背筋が伸びます。
アメニティは石鹸のみ、ドライヤーは有料(10分100円)とストイックですが、宿泊者は部屋のドライヤーを使えば問題なし。この「余計なものがない」感じが、かえって本物の建築美を際立たせています。
木造女湯として国内最大級!美しき半円形の総ヒノキ大浴場
木枠の窓越しに見える浴場の気配にワクワクしながら、いざ入室。
17:30頃、そこには誰もいない、私だけの静寂な空間が広がっていました。
「なんて、良い雰囲気……!」
天井から浴槽まで全てが木造。全長約11mを誇るこの半円形浴槽「万葉の湯」は、木造女湯としては国内最大級。地元の熟練職人の手による構造美は圧巻で、どこを見ても溜息が出るほど美しく、お湯の音だけが響いています。
洗い場は10か所。そのうちシャワー付きは2つのみで、残りは蛇口だけの昔ながらの銭湯スタイル。この無骨さもまた、老舗らしくて心地いい。
水深90cm、長さ11m。「泳げる温泉」の誘惑
湯船はいくつかのエリアに分かれていますが、入口から奥へ真っ直ぐ伸びる通路のような湯船は、段々になっていてどんどん深くなっていきます。最深部は約90cm!
こんなに広くて深い、11メートルもの直線。しかも今は独泉……。
元水泳部の血が騒がないわけがありません(笑)。
もちろん温泉での遊泳は基本的にマナー違反。ですが、ここ金谷旅館は「他の方の迷惑にならなければ泳ぐのもOK」という超太っ腹なルール。お言葉に甘えて、スイスイ〜と何度も泳いでしまいました。温泉で全力の平泳ぎ、なんて贅沢なんでしょう!
また、この細長い浴槽にはベンチのような段差があり、通常なら半身浴みたいになるところ、深いので座っても肩までしっかり浸かれます。楽な姿勢で名湯を堪能できる、画期的な設計です。
二つの源泉、四つの温度
お湯は加水・加温なしの自家源泉かけ流し。場所によって絶妙に温度が異なります。
- 左側(露天側): ガツンとくる「熱め」
- 右側: 落ち着く「中温」
- 半円の端: じっくり入れる「ぬるめ」
- 細長いエリア: 泳ぐのにも(?)最適な「適温」
二つの源泉を使い分けているのか、この「あつ・ぬる」を繰り返していると、永遠に上がれる気がしません。
木の香りに包まれる露天風呂
浴室の端にあるドアの外には、露天風呂も完備されています。
外壁に囲まれているため開放感こそありませんが、木造建築に包まれた空間はとても落ち着きます。火照った頬を撫でる風が、最高に気持ちいい……。
結局、女湯はいつ行っても独泉状態で、この上ない幸せな時間を過ごせました。メインの「千人風呂」へ行く前ですが、すでに「ここへ泊まって本当に良かった」と心から思いました。
(※浴場内写真は楽天トラベルより)
そして、いよいよ本丸へ。木の香りを胸いっぱいに吸い込み、脱衣所横の扉を開けます。
その先に待つのは、名物「千人風呂」!
つづく↓
♨️ 温泉メモ:万葉の湯(女湯)
- 特徴: 国内最大級の木造女湯(長さ11m)。比較的新しい平成3年築。
- 水深: 最深部 約90cm(遊泳OK!)
- 設備: 露天風呂あり、シャワー2基、有料ドライヤー。
- ルール: 他の客の迷惑にならなければ、水泳OK。