お部屋「桐」で一息ついたら、いよいよお楽しみの温泉へ向かいます。
金谷旅館といえば、日本一の総檜風呂として名高い「千人風呂」が有名。ですが、あちらは混浴(バスタオル巻きOK)ということもあり、日帰りのお客さんがいそうな時間はちょっとお預け。まずは、宿泊者だけが楽しめる貸切風呂「一銭湯」へ向かうことにしました。
珍しい「半円形」の建築を眺めて外へ
帳場で「貸切中」と書かれた札を受け取り、帳場近くの出口から一旦外へ出ます。

石畳の小道を少しだけ歩くのですが、その途中で目に飛び込んできたのが、まあるい曲線を描く木造の建築物。

半円形の木造建築なんて、そうそうお目にかかれません。聞けばここは、女湯「万葉の湯」なのだとか。この佇まいを見ただけで、「次はここへ…!」と期待がパンパンに膨らみます。
明治末期から時が止まった「一銭湯」

正面に見える小さな建物が、目的の一銭湯。明治末期に造られた、金谷旅館でもっとも古いお風呂です。その昔、一銭箱に一銭をチャリンと投げ入れて利用されていたことが名前の由来だそう。なんとも風情のあるエピソードです。

浴室は二つあり、空いていればどちらを選んでも自由。二つの浴室は、真ん中の仕切り壁を挟んで左右対称な造りになっていてほぼ同じでした。

扉に貸切中の札をかけて、自分だけの温泉時間がスタートします。今回は奥の浴室へ。

木の脱衣所、そして木造の湯屋の中に広がる、横長のコンクリート造りの湯船。

まるで秘湯の共同浴場に迷い込んだような、ストイックで静かな空間です。
洗い場はシンプルに石鹸のみ!髪を洗いたい時は、部屋からシャンプーを持参するスタイルも「通」な感じで悪くありません。
「熱め・適温・ぬるめ」を独り占めする贅沢
ここのお湯は、加水・加温・消毒・循環一切なしの完全源泉かけ流し。肌に馴染む、柔らかな弱アルカリ性の単純温泉です。

横長い湯船は三つに仕切られていて、奥の湯口から新鮮なお湯がドバドバと注がれています。
- 湯口近く: 源泉のエネルギーを最も感じる「熱め」。
- 中央: じっくりと肩まで浸かれる「適温」。
- 手前: 読書すらできそうなほど心地よい「ぬるめ」。
この三つを交互に行き来しながら、自分の体に馴染む温度を見つけるのが一銭湯の醍醐味。気持ち良すぎて、気づけば湯から上がるタイミングを失っていました(笑)
雰囲気の良い、一人で入るには広すぎるほどのお風呂を独占できるなんて、最高の贅沢。まさに「明治から続く源泉の特等席」でした。
体の芯までポカポカになった帰り道。本館へ戻る途中に見える、丸い障子が美しいお部屋は風呂上がりの休憩室だそう。

庭を眺めながら涼むのも良さそうです。

さて、準備運動は完璧。お次はあの気になる丸い建物、女湯「万葉の湯」へ突撃します!
つづく↓
♨️ 温泉メモ:一銭湯
- 泉質: 単純温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)
- 形態: 宿泊者限定・無料貸切風呂(24時間利用可)
- 特徴: 明治末期築。加水・加温・循環なしの完全源泉かけ流し。
- 注意: 洗い場は石鹸のみ。シャンプー等は持参が必要。