100年前の1926年1月、川端康成がこの宿で生み出した不朽の名作。その舞台そのものであるこの宿で、コタツに入りながら『伊豆の踊子』をポチる……。そんな、時を超えた贅沢すぎる夜の記録です。
お腹も心もパンパンに満たされ、幸せな気分で部屋に戻ると、そこにはふかふかのお布団が敷かれていました。これを見ると、吸い込まれるように横になりたくなってしまいますが……いや、今ここで横になったら最後、朝まで目が覚めない気がする(笑)。

というわけでお布団の誘惑を振り切り、コタツへ。

でもコタツも、一度入ったら最後な気がしますよね…。

新しくなったお茶セット(お湯だけでなく水のポットもあるのが嬉しい)に喜んで、早速お茶を淹れつつ、コタツでぬくぬくと温まりながら、ふと思い立ちました!
聖地で楽しむ、贅沢な「伊豆の踊子」読書タイム
「せっかく伊豆の踊子ゆかりの宿に泊まっているのに、まだ原作を読んでいない不届き者は私です……(笑)」
ここ福田家さんは、作者の川端康成が実際に滞在して物語を書き上げ、まさに小説の舞台そのものになったお宿。しかも、ちょうど今月(2026年1月)は「伊豆の踊子」が発表されてから、ぴったり100年という記念すべき節目なんです。
100年前の今頃、川端康成もこの宿の空気を感じていたのかも……。そんな運命的なタイミングでここにいるなら、今こそ読むべき時!と思い、広縁のテーブルに置いてあった本を見に行きました。

てっきり小説かと思いきや、中身は「日本秘湯を守る会」の本。しかも昨年秋に出たばかりの最新版です。これはこれで熟読したい……けれど、今は「伊豆の踊子」欲が勝っています。
そこで、Amazonで検索して電子書籍を即ポチり。100年前の傑作を瞬時に手に入れられる現代の便利さに感謝しながら、時を超えた読書タイムの始まりです。
現実と物語がリンクする、不思議な没入感
読み進めていくと、「あぁ、さっき通ったあの橋のことか!」「もしかしてあの階段?」と、実際の宿の様子と物語の情景が次々とリンクしていきます。これがもう、楽しくて仕方がありません。
1時間ちょっとで、さらりと読了。
100年前に発表された物語が、今もこうして目の前の景色の中に息づいている。その余韻は思っていたよりもずっと深く、なんて贅沢で素敵な体験なんだろうと感動してしまいました。
踊り子が手を振っていた場所を探して
物語の中で、踊り子が裸で手を振っていたという向かいの「共同浴場」。さっき読み終えたばかりのシーンを確かめたくて、お部屋の窓から外を覗いてみましたが……暗くてよく分かりません。
「よし、実際に見に行ってみよう!」
100年前と変わらぬ舞台をこの目で確かめるべく、夜の静まり返った温泉街へと繰り出すことにしました。
次回、夜の湯ヶ野散歩編。物語のあの場所を、夜の静寂の中に見つけに行きます。
つづく↓
