
お部屋探検を終え、夕食前にまず向かったのは、この宿の象徴ともいえる「踊り子風呂(榧風呂)」。川端康成の『伊豆の踊子』のなかで、踊子が裸で手を振る有名なシーンの舞台となった、歴史あるお風呂です。
時間帯によって変わる、贅沢な湯浴み
福田家のお風呂は時間入れ替え制。私が訪れた時の「榧風呂」の入替時間は以下の通りでした。
- 女性専用: 17:30まで / 翌朝 6:00~7:00
- 男性専用:17:30~19:00/翌朝7:00~8:00
- 貸切利用: 19:00~翌6:00 / 8:00~10:00
夜間や朝の遅い時間は貸切でも使えるのが嬉しいです。さて、さっ そくお風呂へ……と思ったのですが、脱衣所の扉がすりガラスで、外に人の気配がすると心もとない感じがして、ちょっとドキドキ(笑)

とにかくタイルが可愛い!レトロな美空間
浴場に一歩足を踏み入れると、そこには息を呑むほど雰囲気のある空間が。
階段を降りて、地下の浴槽へ。

とにかくタイルが可愛い!!

100年以上前から変わらないという壁のレトロなタイルは、その配色も配置も絶妙で、どこを切り取っても絵になります。透明なお湯にタイルが映って素敵。榧(かや)の木の浴槽は肌触りが優しく、100年前の空気感をそのまま閉じ込めたような、まさにタイムスリップした感覚に陥ります。
ただし、設備はとってもシンプル。

シャワーは1つだけで、ドライヤーもありません。しっかり頭を洗いたい時は、明日の記事で紹介する「岩風呂」の方がおすすめかもしれません。※部屋にはドライヤーあり!
「踊り子」はどこから手を振った?お風呂に潜むミステリー

このお風呂に浸かりながら、ふと不思議に思ったことがあります。小説では、対岸にある共同浴場から裸の踊り子が手を振るシーンがありますが、今のお風呂は半地下のような場所にあり、外からはほぼ見えない造りになっています。
「当時はここの壁がなかったのかな?」「それとも、もっと開放的な造りだったの?」……そんな風に、100年前の景色に思いを馳せるのも、この宿ならではの楽しみ。川の向こうにある共同浴場を心の目で見ながら、物語の断片を探しちゃいます。
柔らかいお湯に包まれ、内側からも温泉を
注がれているお湯は、驚くほど透明で柔らかい。熱すぎず冷たすぎず、まさに「適温」。今日一日歩き疲れた体に、じわ〜っと染み渡るような優しい肌触りです。
【温泉データ】
● 泉質:カルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)
加水・加温なしの源泉かけ流し
そしてここでは飲泉も可能で、湯船の横の蓋の上にカップが置かれています。

源泉は塩ビ管を使い、空気に触れない状態のまま湯船へと注がれているので、蓋を開け、ここから飲むシステム。源泉を一口いただくと、体が内側から温まっていくのを感じます。外からも内からも、福田家の名湯をたっぷり堪能させていただきました。
身も心もポカポカに温まったところで、次はいよいよお楽しみの夕食タイム…の前に、やっぱりもう1つのお風呂、岩風呂&露天風呂へ。
※今回ご紹介した「踊り子風呂(榧風呂)」のある宿は、日本秘湯を守る会加盟の老舗旅館です。
宿泊プランや空室状況は、こちらから確認できます。
※楽天トラベルでプランが表示されない場合は、公式サイトからの予約が確実です。
つづく↓